G7サミット、4首脳が初参加=トランプ氏は再登板後初 2025年06月15日 14時54分

石破茂首相
石破茂首相

 カナダ西部カナナスキスで先進7カ国首脳会議(G7サミット)に臨む7カ国首脳のうち、4人は初参加だ。トランプ米大統領は第1次政権時代に続いて4回目だが、再登板後は初めてとなる。
 ◇石破茂首相(初参加)
 5回目の挑戦となった昨年の自民党総裁選で勝利し、首相の座をようやく射止めた。しかし、派閥裏金事件への対応などを巡って「変節」と批判を浴び、直後の衆院選で大敗。「アジア版NATO(北大西洋条約機構)」創設などの持論を封印し、少数与党を率いる薄氷の国会運営が続く。帰国後に政権の行方を左右する参院選を控える。プラモデルを愛する「軍事オタク」。68歳。
 ◇トランプ米大統領(4回目)
 昨秋の大統領選で返り咲いた。「米国第一」を旗印に一方的な関税を課し、同盟国を含む世界中を相手に貿易戦争を仕掛ける。ロシアによるウクライナ侵攻では停戦仲介に努めるが、先行きは不透明だ。政権内の欧州嫌悪もG7の結束に暗雲を漂わせる。国内では不法移民排斥を推し進め、大学やメディアへの統制を強めるなど「独裁」への欲望をむき出しにしている。6月14日で79歳。
 ◇スターマー英首相(初参加)
 人権が専門の法廷弁護士や検察トップを経て、50歳を過ぎて政界入りした遅咲き。キアという名は初代労働党首にちなんだとも言われ、10代で入党した。2020年に党首に就任すると、中道路線にかじを切り党を再生。昨年の総選挙で大勝し、14年ぶりの政権奪還を果たした。派手なパフォーマンスが苦手で、「退屈」「カリスマ性がない」との評も。62歳。
 ◇メルツ独首相(初参加)
 2月の総選挙で友党との保守連合で第1党に返り咲き、5月に就任した。強い指導力で難民受け入れの厳格化や防衛強化を進めるが、強引な手法には与党内に不満も。首相指名選挙では「造反」が出て、1回目の投票で選出に失敗する「歴史的敗北」も喫した。パイロット免許を持ち、独軍機訓練の視察で操縦桿(かん)を握ったこともある。69歳。
 ◇マクロン仏大統領(8回目)
 17年、仏史上最年少の39歳で大統領に当選した。中道政党を立ち上げ、左右2大政党を中心とした戦後政界を再編。経済改革に定評があるが、23年に強行した年金制度の見直しは国民の反発を買い、デモや公共交通機関のストが相次いだ。24年、解散・総選挙の賭けに出たが、左派と極右が躍進する結果に終わり、求心力の低下が鮮明となっている。47歳。
 ◇メローニ伊首相(3回目)
 ファシストの流れをくむ極右政党を率いて22年の総選挙に勝利し、イタリア初の女性首相となった。欧州で台頭著しい右派ポピュリスト勢力のリーダー的存在だ。就任当初は各国に警戒されたが、首相としては欧州連合(EU)やNATOの結束を重視。穏健な外交で信頼を勝ち得ている。トランプ氏とも親しく、欧米の橋渡し役を自任する。48歳。
 ◇カーニー加首相(初参加)
 カナダと英国の中央銀行総裁を歴任した「金融界の風雲児」。人気低迷で辞任したトルドー前首相の後を継ぎ、3月に非議員で政治経験のないまま就任。翌月の総選挙では、カナダを「51番目の州」と呼ぶトランプ氏への対抗を前面に押し出し勝利した。華やかさには欠けるが、まじめさには定評がある。学生時代は国技アイスホッケーに打ち込んだ。60歳。 

その他の写真

トランプ米大統領(EPA時事)
トランプ米大統領(EPA時事)
スターマー英首相(AFP時事)
スターマー英首相(AFP時事)
メルツ独首相(AFP時事)
メルツ独首相(AFP時事)
マクロン仏大統領(AFP時事)
マクロン仏大統領(AFP時事)
メローニ伊首相(EPA時事)
メローニ伊首相(EPA時事)
カーニー加首相(AFP時事)
カーニー加首相(AFP時事)

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