〔米株式〕NYダウ続伸、70ドル高=ナスダックも高い(11日午前) 2025年06月11日 23時29分

 【ニューヨーク時事】11日午前のニューヨーク株式市場は、5月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回ったことが下支えとなり、続伸している。優良株で構成するダウ工業株30種平均は午前10時現在、前日終値比70.81ドル高の4万2937.68ドル。ハイテク株中心のナスダック総合指数は30.52ポイント高の1万9745.51。
 米労働省が11日発表した5月のCPIは前年同月比2.4%上昇した。伸び率は前月(2.3%)から、4カ月ぶりに小幅拡大したものの、市場予想(2.5%)は下回った。変動の激しい食品とエネルギーを除いたコア指数は前年同月比2.8%上昇、伸び率は3カ月連続で同水準だった。市場が警戒していたほどインフレの上昇が見られなかったことで買い安心感が広がった。ただ、最近の上昇を受け、これまで買い進まれてきた銘柄を中心に利益確定の売りが出やすく、上値は重い。
 一方、米中両政府は9、10両日にロンドンで貿易協議を開いた。ラトニック米商務長官は協議の終了後に両国が5月の閣僚級協議で一致した内容を履行するための「枠組み」設置で合意したと説明。トランプ米大統領は11日、自身のSNSに「中国とのディール(取引)は、(中国国家主席の)習近平氏と私の承認を条件に成立する」と強調し、「中国からレアアース(希土類)が前倒しで供給される」と言明した。ただ、米中の合意の方向性はある程度織り込まれており、ラトニック、トランプ両氏の発言への反応は限定的となった。
 個別銘柄では、ハネウェル・インターナショナル、シスコシステムズが安い。一方で、アメリカン・エキスプレス、ゴールドマン・サックスなどが高い。ダウ構成銘柄以外では、テスラが上昇。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)がトランプ大統領をSNSで批判したことについて「後悔している。行き過ぎだった」と述べた。

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