〔NY金〕反落、3377.10ドル(3日) 2025年06月04日 03時52分
【ニューヨーク時事】3日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、前日に1カ月半ぶりの高値を付けた反動から利益確定の売りが優勢となり、反落した。中心限月8月物の清算値(終値に相当)は前日比20.10ドル(0.59%)安の1オンス=3377.10ドル。
前日の金相場は、米高関税政策を背景に欧州や中国との通商摩擦が激化するとの懸念が強まる中で清算値ベースでは約1カ月半ぶりの高値を付けた。この日は反動から利益確定の売りが優勢となった。
米労働省が3日発表した4月の雇用動態調査(JOLTS)によると、非農業部門の求人数が前月比19万1000件増の739万1000件と、市場予想(ロイター通信調べ)の710万件を上回った。米雇用情勢を巡る警戒感が後退、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ時期が遠のくとの観測につながり、対ユーロでドル買いが先行。ドル建てで取引される金に割高感が生じ、売りが優勢となった。
米政権は2日、トランプ米大統領と中国の習近平国家主席の電話会談が今週にも行われると明らかにした。レビット米大統領報道官は3日、「米中のリーダーの電話会談が間もなく行われる」とした。米中首脳の通商協議の内容が注視される中、買い控えムードも広がった。
サクソバンクの商品戦略責任者、オール・ハンセン氏は3日付のリポートで「史上最高値を再び更新するのが目前だと宣言するには引き続き慎重だが、マクロ経済環境は貴金属相場にとって、好ましい状況にシフトしつつある」と述べた。