〔米株式〕NYダウ上伸に転じる、191ドル高=ナスダックも高い(3日午後1時) 2025年06月04日 02時16分
【ニューヨーク時事】3日午後のニューヨーク株式相場は、米半導体関連の銘柄主導で、プラス圏に浮上している。優良株で構成するダウ工業株30種平均は午後1時現在、前日終値比191.52ドル高の4万2497.00ドル。ハイテク株中心のナスダック総合指数は199.61ポイント高の1万9442.22。
OECDは3日発表した最新の経済見通しで、2025年の世界全体の成長率を2.9%と、3月の前回予測から0.2ポイント引き下げた。米高関税政策に伴い経済の先行き不透明感が強まり、景況感の悪化により「貿易・投資の抑制を招く」と指摘した。これが投資家心理を圧迫し、寄り付き後は売りが出やすい地合いとなっていた。
一方、ロイター通信が確認した草案文書で、米政権が複数の貿易相手国に対し、最善の貿易交渉案を4日までに提示するよう求めていることが分かった。米政権は相手国・地域に設定した相互関税の上乗せ分を90日間停止中で、その期限が7月上旬に迫る中、協議を加速させ、合意にこぎ着けたい思惑がある。米国は各国からの回答を数日以内に評価し、相互関税の税率を含めた着地点を示す予定という。米中首脳による通商協議も含め、米国と貿易相手国の関税措置を巡る交渉進展が注視されており、様子見姿勢も強く、不安定な値動きとなっていた。
午後に入ると、米半導体株を中心に買いが集まり、ダウはプラスに転じている。米半導体大手ブロードコムが3日、人工知能(AI)の高速化を目的とした最新のネットワーク半導体の出荷を開始したと発表。同社株は2%超高で推移している。ダウ構成銘柄の米半導体大手エヌビディアは3%超高となっている。