〔NY外為〕円、144円台前半(29日) 2025年05月30日 06時30分
【ニューヨーク時事】29日のニューヨーク外国為替市場では、米長期金利の低下を背景に円買い・ドル売りが先行し、円相場は1ドル=144円台前半に上昇した。午後5時現在は144円12~22銭と、前日同時刻(144円81~91銭)比69銭の円高・ドル安。
米労働省が朝方発表した米新規失業保険申請件数は、24日までの1週間で前週比1万4000件増の24万件と、市場予想(ロイター通信調べ=23万件)を上回った。雇用情勢の弱含みを示唆する内容だったことから、連邦準備制度理事会(FRB)による年内の利下げ期待がやや高まったことで長期金利が低下。日米金利差縮小を意識した円買い・ドル売りが進んだ。
米7年債の入札が好調だったことが波及する形で、長期金利が一段と下がったことも円買い・ドル売りを誘った。市場関係者は7年債入札状況について「米財政不安から長期債から償還期間が(比較的)短い債券に乗り換える動き」の広がりが要因だと分析した。
米国際貿易裁判所は28日、トランプ政権が発動した相互関税の差し止めを命じた。海外市場では高関税政策の懸念が後退し、円売り・ドル買いが加速。ただ、ニューヨーク市場では先行きを見極めたいとの思惑から、持ち高調整の動きが出た。
ユーロは同時刻現在、対ドルで1ユーロ=1.1360~1370ドル(前日午後5時は1.1286~1296ドル)、対円では同163円86~96銭(同163円56~66銭)と、30銭の円安・ユーロ高。