〔NY金〕反落、3315.40ドル(30日) 2025年05月31日 04時09分

 【ニューヨーク時事】週末30日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、米中の貿易交渉の行方が注目される中、利益確定の売りやドルの堅調地合いを受け、反落した。中心限月8月物の清算値(終値に相当)は前日比28.50ドル(0.85%)安の1オンス=3315.40ドル。
 トランプ米大統領は30日、SNSに投稿で、「中国は合意を完全に破った」と主張。具体的な合意違反の内容には触れなかったが、中国との貿易交渉が進展していないことに不満を表明した。これを受けて貿易摩擦激化への警戒感が再び台頭。安全資産とされる金はいったん買い戻されたがプラス圏には届かず、利益確定の売りに相場は一時3300ドルを割り込んだ。あと持ち高調整の買いが入り、下げ幅を一部縮小した。
 外国為替市場で、ドルが対ユーロで底堅く推移したことも、ドル建てで取引される商品の割高感につながり、金の下押し要因となった。
 相場は4月には3500ドル台を付けたものの、市場関係者からは安全資産としての金需要が最近やや後退しており、調整局面に入ったとの指摘が聞かれた。
 米商務省が朝方発表した4月の米個人消費支出(PCE)価格は前年同月比2.1%上昇と、伸びは2カ月連続で鈍化し、7カ月ぶりの低水準となった。価格変動の激しいエネルギーと食品を除いたコア指数は2.5%上昇と、伸びは前月(2.7%上昇)から減速。
インフレ鈍化の継続を裏付ける結果を受け、市場で米連邦準備制度理事会(FRB)が9月に利下げに踏み切るとの観測が維持された。政策金利引き下げで、金利の付かない資産である金の投資妙味が高まるとの期待がある。

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