〔米株式〕NYダウ下げに転じる、182ドル安(30日午後1時5分) 2025年05月31日 02時18分
【ニューヨーク時事】週末30日午後のニューヨーク株式相場は、国債市場に亀裂が生じる可能性に言及した米金融大手首脳の発言が嫌気され、マイナス圏に転落している。優良株で構成するダウ工業株30種平均は午後1時5分現在、前日終値比182.12ドル安の4万2033.61ドル。ハイテク株中心のナスダック総合指数は274.02ポイント安の1万8901.85。
トランプ氏は30日、SNSへの投稿で、米高関税政策により経済危機に直面していた中国を救うため、米国が迅速な取引を行ったとした上で「中国は米国との合意に完全に違反した」と批判した。一方、ベセント米財務長官は29日、FOXニュースのインタビューで、中国の交渉に関しては「若干停滞している」と述べていた。米中貿易摩擦への警戒感が再び台頭し、ダウは売り先行で寄り付いた。
一方、米商務省が朝方発表した4月の個人消費支出(PCE)物価指数は前年同月比2.1%上昇と伸び率は前月(2.3%)を下回り、昨年9月以来7カ月ぶりの低水準となった。価格変動が激しいエネルギーと食品を除いたコア指数の上昇率も前月から減速し、インフレの鈍化を示す内容だった。米ミシガン大学が午前発表した消費者調査によると5月の景況感指数(確報値)は52.2と、市場予想(51.0)を上回った。これらの指標を受け、ダウは下げ幅を一掃した。
その後、米金融大手JPモルガン・チェースのダイモン最高経営責任者(CEO)は、西部カリフォルニア州で開かれた対談形式のイベントで、財政赤字の膨張に歯止めがかからないことを踏まえ、国債市場に亀裂が生じる可能性に言及した。これをきっかけに投資家心理が圧迫され、相場は再び下げに転じている。