〔NY金〕上伸、3343.90ドル(29日) 2025年05月30日 04時15分

 【ニューヨーク時事】29日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、米長期金利の低下を背景に買われ、上伸した。この日から新たに中心限月となった8月物の清算値(終値に相当)は前日比21.50ドル(0.65%)高の1オンス=3343.90ドル。
 米商務省が29日発表した1~3月期の実質GDP(国内総生産)改定値は季節調整済み年率換算で前期比0.2%減と、速報値から小幅に上方修正された。ただ、投資家らはGDPの約7割を占める個人消費が1.2%増と速報値(1.8%増)から下方修正されたことに注目した。また米新規失業保険申請件数は前週比24万件と市場予想(23万人増=ロイター通信調べ)よりも悪化した。これを受けて、米景気の先行きに懸念が広がり、米長期金利が低下。金利を産まない資産である金の投資妙味が高まり、金が買われた。
 一方、米国際貿易裁判所は28日、トランプ米政権が発動した相互関税を巡り「違法で無効」と判断し、差し止めを命じる決定を下した。決定を受けて米政府側は即時に控訴。米メディアが29日に報じたところによると、トランプ米政権は控訴審で保留されない場合、30日にも連邦最高裁判所に上訴する方針だという。米高関税政策を巡る先行き不透明感が再び強まる中、安全資産としての金の買いを後押しした面もある。

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