〔NY外為〕円、144円台半ば(20日) 2025年05月21日 06時28分

 【ニューヨーク時事】20日のニューヨーク外国為替市場では、日米財務相会談を控え様子見ムードが広がる中、円買い・ドル売りがやや優勢となり、円相場は1ドル=144円台半ばに上伸した。午後5時現在は144円45~55銭と、前日同時刻(144円77~87銭)比32銭の円高・ドル安。
 先進7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議が21日、カナダ西部バンフで開幕する。
会議に出席する加藤勝信財務相は20日の閣議後記者会見で、ベセント米財務長官と個別協議を開く方向で調整していると説明し、「為替を含め2カ国間の諸課題、諸問題について議論を行いたい」と表明。米国から円安是正を要求されるとの警戒感から、円が買われやすい地合いが継続した。格付け大手ムーディーズ・レーティングスによる米国債格下げを受けた米国債売りがひとまず一服した一方、主要通貨に対するドル売り基調が根強かった。
 米下院予算委員会は18日夜、トランプ米大統領肝煎りの大規模減税を盛り込んだ法案を賛成多数で承認。本会議での週内の採決に向け前進したが、同法案が予想以上の債務負担の拡大を招く可能性があり、議会での審議が注目されている。
 複数の米連邦準備制度理事会(FRB)高官から今週、米政権の高関税政策の影響でインフレ上昇や消費者および機企業の信頼感低下を懸念する発言が相次いでいることも、ドルを下押ししているもよう。セントルイス連銀のムサレム総裁は20日、講演後の質疑応答で先行き不透明感の高まりが経済にもたらす影響は「非常に大きくなりがちだ」と、警戒感をあらわにした。
 ユーロは同時刻現在、対ドルで1ユーロ=1.1280~1290ドル(前日午後5時は1.1239~1249ドル)、対円では同163円00~10銭(同162円76~86銭)と、24銭の円安・ユーロ高。(了)

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