〔NY石油〕WTI軟調、62ドル台(20日午前) 2025年05月21日 04時24分
【ニューヨーク時事】20日午前のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、中国の需要減速懸念が重しとなり、軟調に推移している。米国産標準油種WTIの中心限月6月物は午前10時現在、前日清算値(終値に相当)比0.50ドル安の1バレル=62.19ドル。
中国国家統計局は19日、4月の鉱工業生産が前年同月比6.1%増、小売売上高が5.1%増と、いずれも伸びが鈍化したと発表。トランプ米政権が課した高関税政策が響いたとみられる。これを受けて、世界最大の石油輸入国である中国の需要が先細りするとの警戒感が根強く、相場は売りが先行している。
一方、米イラン核合意への期待が後退する中、市場は協議の行方に注視している。イランのメディアによると、同国の最高指導者ハメネイ師は20日、首都テヘランで演説し、米国がイランの核開発を巡る協議でウラン濃縮活動停止を求めていることについて反発を表明。対米交渉に懐疑的な見方を示した。米国とイランはオマーンを仲介役として、これまで間接的な形式で4回の高官協議を実施。トランプ大統領は15日、イランとの核合意が「近づいている」との認識を示していた。