〔NY金〕続伸、3284.60ドル(20日) 2025年05月21日 03時48分

 【ニューヨーク時事】20日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、対ユーロでのドル安などを背景に買われ、続伸した。中心限月6月物の清算値(終値に相当)は、前日比51.10ドル(1.58%)高の1オンス=3284.60ドル。
 外国為替市場では対ユーロでドル売りが優勢。ドル建てで取引される商品の割安感につながり、金塊が買われた。また、欧州連合(EU)は20日、ウクライナへの進行を続けるロシアに対し、新たな制裁を科すことで合意。トランプ米大統領とロシアのプーチン大統領が19日に電話会談を行い、ウクライナ情勢を巡って協議を行ったが、即時停戦にはつながらなかった。ウクライナでの停戦協議の進展に不透明感がくすぶる中、地政学的リスクへの高まりも意識され、安全資産として金を買う動きにつながった。
 米格付け大手ムーディーズ・レーティングスが16日に債務膨張を理由に米国債の格付けを「Aaa」から「Aa1」に一段階引き下げた。米国の財政状況に懸念が強まっていることも、引き続き金の買いを後押しした。トランプ米大統領の看板政策である大規模な減税を盛り込んだ法案が18日に下院予算委員会で可決された。今週末までに本会議で採決される見通しとなっており、可決できるかどうかに注目が集まっている。

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