〔NY石油〕WTI小幅続伸、62.69ドル(19日) 2025年05月20日 04時58分

 【ニューヨーク時事】週明け19日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、米イラン核合意期待の後退などを背景にやや買いが優勢となり、小幅続伸した。米国産標準油種WTIの中心限月6月物の清算値(終値に相当)は、前週末比0.20ドル(0.32%)高の1バレル=62.69ドル。7月物は0.17ドル高の62.14ドルだった。
 米中の経済見通しへの警戒感から、朝方にかけては軟調に推移。米格付け大手ムーディーズ・レーティングスが16日、米府債務の膨張を理由に米国債の格付けを引き下げたほか、中国国家統計局は19日、4月の鉱工業生産と小売売上高の伸びが鈍化したと発表した。トランプ米政権が課した高関税政策が響いたとみられる。
 これを受け、エネルギー需要の先細りを懸念した売りが先行。相場は早朝に一時61ドル台半ばまで下落した。しかし、イランの核開発問題を巡り、米国側がウラン濃縮活動の停止にこだわるなら、両国間協議は進まないとするイラン政府高官の発言が報じられたことをきっかけに、流れは反転。63ドル台に乗せる場面があったものの、取引終盤はウクライナ停戦を巡る米露首脳の電話会談の内容が伝わる中で売り買いが交錯し、方向感に乏しい展開となった。
 ▽ガソリン=小反落。中心限月6月物の清算値は0.30セント安の1ガロン=213.88セント。
 ▽ヒーティングオイル=3営業日続落。6月物の清算値は1.29セント安の1ガロン=212.77セント。

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