〔NY金〕反落、3188.30ドル=1カ月ぶり安値(14日) 2025年05月15日 04時03分

 【ニューヨーク時事】14日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、米中の関税引き下げ合意を受けた利益確定の売りや米長期金利の上昇を背景とした売りが優勢となり、反落した。中心限月6月物の清算値(終値に相当)は前日比59.50ドル(1.83%)安の1オンス=3188.30ドルと、清算値ベースでは4月上旬以来約1カ月ぶりの安値水準となった。
 米中両政府は追加関税を115%引き下げ、90日間の交渉期間に入ることで合意。14日付で引き下げられたことでリスク投資環境が大きく改善し、これまで安全資産として買われてきた金に利食い売りが出やすい地合いとなっている。また、この日は米長期金利の指標である10年物国債利回りが上昇。金利を産まない資産である金の投資妙味の減退につながり、金の売り圧力となった。
 サクソバンクの商品戦略責任者、オール・ハンセン氏は13日付のリポートで「金相場は(時間外取引で)3500ドルの目標まで既に到達しており、われわれは様子見姿勢を取っている」と指摘。同氏はその上で「複数の押し上げ要因が短期的に消える可能性は低く、次第に金相場が一段高となる可能性は高い。ただ短期的には引き続き値固め局面で、テクニカル面での見通しとしては、3155~3165ドルにある下値支持線まで下落するリスクが高まっている」との見方を示した。

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