カンヌ映画祭が開幕=早川監督、最高賞争う―仏 2025年05月14日 06時38分

【パリ時事】第78回カンヌ国際映画祭が13日、フランス南部カンヌで開幕した。最高賞パルムドールを争うコンペティション部門には、早川千絵監督の「ルノワール」など22作品がノミネート。審査結果は最終日の24日に発表される。
独自性の強い作品などが対象の「ある視点」部門には、石川慶監督の「遠い山なみの光」をはじめ20作が選ばれた。同部門の授賞式は23日。
「ルノワール」は、感受性豊かな11歳の少女の物語。鈴木唯さんが主演した。「遠い山なみの光」は、ノーベル賞作家カズオ・イシグロの長編デビュー作が原作で、戦後の長崎などが舞台。主演は広瀬すずさん。
開会式では、生涯功労賞に当たる「名誉パルムドール」を受賞した米俳優ロバート・デニーロさんがスピーチ。外国映画に高関税を課すと表明したトランプ米大統領を批判し、「ずっと確実なものだと思ってきた民主主義を守るため、懸命に闘っている」と強調した。
一方、コンペ部門の審査員長を務める仏俳優のジュリエット・ビノシュさんは、パレスチナ自治区ガザで4月にイスラエル軍の攻撃により死亡したフォトジャーナリストの女性を追悼。政治色の濃い幕開けとなった。