〔NY石油〕WTI4日続伸、63.67ドル=3週間ぶり高値(13日) 2025年05月14日 05時21分

 【ニューヨーク時事】13日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、米中両国の大幅な関税引き下げを好感した買いが引き続き入り、4営業日続伸した。米国産標準油種WTIの中心限月6月物は前日清算値(終値に相当)比1.72ドル(2.78%)高の1バレル=63.67ドルと、清算値ベースでは4月下旬以来3週間ぶりの高値水準となった。7月物は1.69ドル高の63.25ドル。
 米中両国政府は、10、11両日にスイスで米関税措置を巡り貿易協議を開き、お互いに関税率を115%引き下げ、90日間の交渉期間を設けることで合意した。米中両国の貿易摩擦激化が世界的な景気鈍化を招くとの警戒感が後退し、前日の相場は買いが先行。この日も需要拡大期待を背景に、ほぼ一本調子で値を上げた。
 米労働省が13日発表した4月の消費者物価指数(CPI)は総合では伸び率が前年同月比2.3%上昇と、2021年2月以来約4年2カ月ぶりの低水準となったほか、市場予想も下回った。インフレの沈静化を示す内容を受け、外国為替市場では対ユーロでドル売りが優勢。ドル建てで取引される商品に割安感が生じ、原油相場を支えた。
 トランプ米大統領は13日、サウジアラビアの首都リヤドでムハンマド皇太子と会談。両者は「戦略的経済パートナーシップ協定」に署名し、対米投資や貿易、経済面での協力拡大で合意した。
 ▽ガソリン=4営業日続伸。中心限月6月物の清算値は3.29セント高の1ガロン=216.60セント。
 ▽ヒーティングオイル=4日続伸。6月物の清算値は6.02セント高の1ガロン=217.13セント。

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