〔NY外為〕円、143円近辺(30日) 2025年05月01日 07時02分
【ニューヨーク時事】30日のニューヨーク外国為替市場では、海外市場で先行した円売り・ドル買いの流れが終日継続し、円相場は1ドル=143円近辺に下落した。午後5時現在は143円00~10銭と、前日同時刻(142円29~39銭)比71銭の円安・ドル高。
米高関税政策に伴う過度の警戒感の後退を背景に円売り・ドル買いが優勢となった海外市場の流れを引き継ぎ、ニューヨーク市場は143円00銭で取引を開始した。米商務省がその後発表した1~3月期の実質GDP(国内総生産)速報値は季節調整済み年率換算で前期比0.3%縮小し、前期(2.4%増)から落ち込んだ。2022年1~3月期以来3年ぶりのマイナス成長となったほか、市場予想(0.3%増)も下回った。
ただ、ゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースなど米金融大手がまとめた事前予想ほど落ち込まなかった。GDPの7割を占める個人消費が1.8%増と、前期からは鈍化したものの、底堅い伸びを示したこともあり、発表後も円安・ドル高基調が継続した。市場参加者の間では、米高関税政策を背景にした輸入の急拡大が成長率を押し下げたため、それを考慮すれば成長率は底堅いとの見方も聞かれた。
米商務省が発表した3月の個人消費支出(PCE)物価指数は、前年同月比2.3%上昇し、伸び率は前月(2.7%)を下回り、24年9月以来半年ぶりに減速。インフレの落ち着きが示唆され、景気懸念が和らいだこともドル買いにつながった。一方、日銀の金融政策決定会合の結果発表を5月1日に控え、様子見ムードも強かった。
ユーロは同時刻現在、対ドルで1ユーロ=1.1324~1334ドル(前日午後5時は1.1379~1389ドル)、対円では同162円04~14銭(同162円07~17銭)と、03銭の円高・ユーロ安。