〔NY外為〕円、142円台前半(29日) 2025年04月30日 06時40分

 【ニューヨーク時事】29日のニューヨーク外国為替市場では、米関税政策を巡る報道に注目が集まる中、円相場は1ドル=142円台前半に軟化した。午後5時現在は142円29~39銭と、前日同時刻(141円98銭~142円08銭)比31銭の円安・ドル高。
 ベセント米財務長官はこの日朝、トランプ政権発足100日に合わせて記者会見した。二転三転している高関税政策について、同氏は貿易相手国から有利な合意を引き出すため、「戦略的な不確実性」をつくり出していると説明。高関税の応酬となっている中国との交渉に関しては詳細に触れず、同国経済が失業増などの甚大な影響を受けると指摘した。
 ベセント氏の一連の発言を受け、米長期金利が低下。また、さえない米経済指標の発表もドル売りを促し、円は142円台後半から上昇、昼すぎには一時141円台に乗せた。米民間有力調査機関コンファレンス・ボードがまとめた4月の消費者景気信頼感指数は約5年ぶりの低水準に悪化し、3月の雇用動態調査(JOLTS)が示す非農業部門の求人数は市場予想を下回る低調な内容だった。
 ただ、終盤にかけては、ベセント氏がインドとのディールは「非常に近い」と述べたことや自動車部品関税の負担軽減を巡る発表に注目が集まったほか、月末調整のドル買いも加わり、円は上げ幅を縮小した。
 ユーロは同時刻現在、対ドルで1ユーロ=1.1379~1389ドル(前日午後5時は1.1418~1428ドル)、対円では同162円07~17銭(同162円24~34銭)と、17銭の円高・ユーロ安。

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