〔NY石油〕WTI3日ぶり反落、62.05ドル(28日) 2025年04月29日 04時58分
【ニューヨーク時事】週明け28日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、需要先行きに対する警戒感がくすぶり、3営業日ぶりに反落した。米国産標準油種WTIの中心限月6月物の清算値(終値に相当)は前週末比0.97ドル(1.54%)安の1バレル=62.05ドルだった。7月物は0.96ドル安の61.37ドル。
米中貿易交渉の行方が引き続き注視される中、ベセント米財務長官は27日、米テレビに出演し、先週ワシントンで開かれた国際通貨基金(IMF)・世界銀行の春季会合で中国当局者と会談したものの、関税政策には触れなかったと述べた。トランプ大統領が習近平国家主席と話したかどうかについては知らないとし、中国が米中協議の事実を否定している理由について聞かれると「彼らは違う聴衆を相手にしているのだろう」と答えた。米中貿易摩擦への懸念が根強く、原油売りが優勢となった。
イランの核開発を巡る米国とイランの協議継続も相場の圧迫要因。双方の3回目の高官協議が26日に行われ、イランのウラン濃縮活動制限や米国による制裁解除など新たな合意に向けた技術的課題に関し、専門家レベルの実務者会合も初めて実施した。イランのアラグチ外相は「今までより真剣な議論だった」と述べ、来月3日の再協議の予定も明かした。ただ、相違点も残っており、短期的な合意実現は難しいとの見解も表明したという。 一方、米政府は28日、イエメンの親イラン派武装組織フーシ派への石油やガス製品運搬に関与したとして、3隻の船舶とその所有者を対象とした制裁を科したと発表した。
▽ガソリン=3営業日ぶりに反落。中心限月5月物の清算値は1.31セント安の1ガロン=210.58セント。
▽ヒーティングオイル=3営業日続伸。5月物の清算値は0.82セント高の1ガロン=217.55セント。