〔NY石油〕WTI3日続落、80.76ドル=3週間ぶり安値(16日) 2024年07月17日 04時55分

 【ニューヨーク時事】16日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、エネルギー消費大国である中国の景気先行き懸念を背景に、3営業日続落した。米国産標準油種WTIの中心限月8月物の清算値(終値に相当)は前日比1.15ドル(1.40%)安の1バレル=80.76ドルと、中心限月の清算値ベースで6月下旬以来約3週間ぶりの安値水準。9月物は1.13ドル安の79.71ドル。
 中国国家統計局が15日発表した4~6月期の国内総生産(GDP)は、物価変動の影響を除いた実質ベースで前年同期比4.7%増加し、伸び率は前期から大幅減速した。世界最大の石油輸入国である同国の石油需要減退への警戒感が引き続き売り圧力となった。
 国際通貨基金(IMF)は16日発表した最新の世界経済見通しで、2024年の世界全体の成長率を3.2%と、前回4月時点の予測を維持した。米国を引き下げた一方、中国は上方修正。ただ、中国の成長率は25年に鈍化し、29年までに3.3%成長まで減速すると見込んだ。
 米商務省が朝方発表した6月の小売売上高は市場予想を上回った。底堅い個人消費動向を示唆する内容と受け止められ、一時、対ユーロでドル高が進行した場面では、ドル建てで取引される商品の割高感も意識された。
 市場の次の関心は、米エネルギー情報局(EIA)が17日午前に公表する12日までの1週間の米原油在庫統計。市場予想(ロイター通信拡大版調査)によると、原油在庫は前週比3万バレル減、ガソリン在庫は160万バレル減と予想されている。
 ▽ガソリン=3営業日続落。中心限月8月物の清算値は1.41セント安の1ガロン=247.75セント。 ▽ヒーティングオイル=反落。8月物の清算値は4.48セント安の1ガロン=246.88セント。

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