〔NY石油〕WTI反落、81ドル台(28日午前) 2024年06月28日 23時51分

 【ニューヨーク時事】週末28日午前のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、この日発表された一部の米経済指標が強めな内容だったことから、年内の利下げ開始観測が幾分後退し、反落している。米国産標準油種WTIの中心限月8月物は午前10時22分現在、前日清算値(終値に相当)比0.61ドル安の1バレル=81.13ドル。
 この日に発表された6月の米ミシガン大消費者景況感指数と6月のシカゴ景況指数(PMI)はそれぞれ市場予想を上回る内容となった。これを受けて市場では米連邦準備制度理事会(FRB)による年内の利下げ開始観測がやや後退し、相場はじりじりと値を下げている。
 一方、米商務省が28日発表した5月の米個人消費支出(PCE)物価指数は、前年同月比2.6%上昇と前月から小幅低下し、市場予想と一致。根強いインフレ圧力は続くものの、高インフレが再燃するリスクが後退したと受け止める向きもあり、原油相場は朝方、プラス圏で推移する場面もあった。
 一方、イランでは28日大統領選が行われた。7月5日に上位2候補による決選投票が行われる公算が大きいとみられるが、最新の情勢調査では西側諸国との融和を掲げる改革派が勢いを増しているとの分析もある。選挙結果次第で中東地域での緊張が緩和に向かうとの期待感もあり、相場にはやや弱材料となっている。

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