〔東京外為〕ドル、143円台後半=米利下げ観測後退で上昇(8日午前9時) 2025年05月08日 09時40分
8日朝の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、米連邦公開市場委員会(FOMC)声明やパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の記者会見を受けた米早期利下げ観測の後退や、米中貿易摩擦の緩和期待などから、1ドル=143円台後半に上昇している。午前9時現在、143円85~86銭と前日(午後5時、143円17~18銭)比68銭のドル高・円安。
前日の海外市場では、欧州時間は米長期金利の上昇などに伴い、142円台後半から143円台半ばまで水準を切り上げた。FOMCの結果公表後、142円90銭前後までの急落を経て反転。パウエル議長の会見開始後は上昇が加速し、一時144円付近まで値を上げた。一巡後はやや売られ、143円台後半で推移している。
FOMCは政策金利の据え置きを決定。声明で「経済見通しを巡る不透明感はさらに増した」などと指摘したことから、市場はまずドル売りで反応した。一方、パウエル議長会見では、景気悪化に備えた「予防的な」利下げを検討する状況にはないとし、利下げを急がない姿勢を強調。これを受け、ドルは買い戻されている。
10~11日に行われる見通しの米中の貿易問題に関する閣僚級協議で緊張が緩和するとの期待感などから、米株式は上昇。「リスクオンムードが高まった」(外為仲介業者)ことで、安全資産とされる円が売られ、ドルが買われているとの見方もある。
午前8時50分には3月18、19日の日銀金融政策決定会合議事要旨が公表されたが、直後の市場の反応は限られた。
ユーロは対円、対ドルで下落。午前9時現在、1ユーロ=162円60~63銭(前日午後5時、162円67~69銭)、対ドルでは1.1303~1303ドル(同1.1362~1362ドル)。