ほぼすべてにQRコード=生成AI、情報モラル記述―高校1、2年の教科書検定・文科省 2025年03月25日 14時46分

文部科学省は25日、2026年度から主に高校1、2年生が使用する教科書の検定結果を公表した。現行の学習指導要領に基づく2回目の検定で、申請のあった13教科253点すべてが合格した。
ほぼすべての教科書に、学習の参考として、ウェブサイトに接続して動画や音声視聴などができるQRコードが記載された。急速に進むデジタル化に対応し、情報社会で適切な活動を行う情報モラルや生成AI(人工知能)に関する記述が目立った。
各生徒に共通する11教科で前回21年の検定から平均ページ数は微増し、321ページだった。検定意見は6470件付いた。「主体的・対話的で深い学び」(アクティブ・ラーニング)を掲げる学習指導要領に照らし「不適切」とする意見は118件だった。
公民と地理歴史の全教科書が北方領土や竹島、尖閣諸島に触れた。竹島と尖閣諸島について「日本固有の領土」との記述がなく、意見を踏まえ追記したものもあった。政治・経済の1点は、元徴用工問題で「朝鮮半島から日本に連行された」とした部分に「政府の見解に基づいていない」との意見が付き、「動員」に修正された。
近年の出来事では、地理歴史や公民の教科書に昨年の能登半島地震が掲載された。ロシアのウクライナ侵攻や、イスラエルによるパレスチナ自治区ガザ侵攻も多くの教科書で取り上げられた。
論理的・実用的な文章を学ぶ「現代の国語」では、小説を載せた教科書が前回2点から9点と増加。社会の多様化に伴い、夫婦別姓やLGBTQなど性的少数者に関する記述も充実した。
昨年不合格となった中学の技術・家庭の1点も再審査されたが、今回も不合格だった。
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