利下げは年内に2回を想定=FOMC経済見通し・FF金利予想 2025年03月21日 08時57分

 米連邦公開市場委員会(FOMC)は3月19 日、フェデラルファンド金利(FF金利)の目標範囲を4.25~4.50%に据え置く決定をしました。同時に参加メンバーが提示した「経済・政策金利見通し」を公表しました。

 トランプ新政権の関税政策がインフレ再燃をもたらす可能性や景気後退を予測する見方が広がる中、FOMCの「経済・政策金利見通し」では、PCE物価指数(総合)は2.7%増と12月時点から0.4%上振れ、実質GDP成長率は年末時点で1.7%と12月時点から0.4%後退する予想となっています。一方で、FF金利は年内に0.25%の利下げを2回行う見通しで、12月時点と変わっていません。

 パウエル議長は、3月19日の記者会見冒頭のスピーチで、トランプ新政権の関税や財政政策に言及し、「特に貿易政策では最近いくつかの進展がありましたが、変更内容や経済見通しへの影響に関する不確実性は依然として高い状況です」とし、今後の金融政策について、「FF金利の目標レンジに対する追加的な調整の規模やタイミングを検討するにあたり、当委員会は入ってくるデータ、変化する見通し、リスクのバランスを評価します。政策スタンスを急いで調整する必要はなく、より明確になるまで待つ体制は整っています」と慎重な姿勢を示しました。

 FF金利のドットプロットを見ると、2026年以降の中立金利に向けた利下げの道筋は、12月時点と余り変わっていません。ただ、ドットプロットは縦長となり、背景に不確実性が高まっていることが推測できます。



   ※ FRB発表のProjection Materials からゴールデンチャート社が作表

(H・N)

[ゴールデン・チャート社]

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