中国、対ロ貿易が過去最高=原油けん引、依存に警戒も 2025年02月22日 14時59分

【北京時事】中国がロシアとの貿易を拡大させている。制裁の影響で割安になったロシア産原油を買い増しており、2024年の貿易総額は2448億ドル(約37兆円)と過去最高を更新した。ただ、エネルギー安全保障を重視する習近平政権としては、過度な対ロ依存を避けたいのも本音。この先、ロシアとの貿易がどこまで伸びるかは不透明だ。
「エネルギー輸入先の多元化を進めるべきだ」。中国共産党系の有力経済紙、経済日報に今月、こんな専門家の意見が紹介された。記事は、国内で資源開発を進めた上で、ロシアに加え、中東やアフリカなどからの調達も重視すべきだと訴えている。
中国貿易統計によると、ウクライナ侵攻直前の21年に15.5%だった原油輸入に占めるロシアの割合は、24年に19.6%へ上昇した。中国が今後も割安なロシア産の輸入を増やすとの見方は根強いものの、「(この比率は)既に少し多い」(北京の専門家)との声も漏れる。
天然ガスの輸入を巡っては、対ロ依存度は既に2割を超えたとみられ、中国国内でロシア産ガスの輸入拡大を避けようとする動きが出始めているもようだ。
対米関係の先行きもロシアとの距離に影響しそうだ。米国による対ロ制裁を受け、既に一部の中国国有銀行などはロシアとの取引を停止させた。ある専門家は、中国は「対米関係を決定的に損なう事態を望んでいない」と分析した。