〔NY金〕続伸、3448.60ドル(27日) 2025年08月28日 03時32分

 【ニューヨーク時事】27日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、米金利とドル指数の低下を眺めて徐々に買いが優勢となり、続伸した。中心限月12月物の清算値(終値に相当)は、前日比15.60ドル(0.45%)高の1オンス=3448.60ドル。
 ニューヨーク連邦準備銀行のウィリアムズ総裁は27日朝、米CNBCテレビのインタビューで、「経済は失速していない」と発言。市場が織り込む9月の連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ再開について「データを見極める必要がある」と述べ、早急な政策判断に慎重な姿勢を示した。これを受け、米長期金利とドル指数が一時上昇。利回りを生まず、ドル建てで取引される商品の逆風となり、午前の金相場はおおむねマイナス圏で推移した。
 しかし、トランプ米大統領が解任を通告した連邦準備制度理事会(FRB)のクック理事が、早ければこの日にも職務継続の確認を求めて提訴する方針と伝わる中、先行き不透明感から安全資産の金を売る動きは限定的。金利が低下に転じ、ドルが対主要通貨で軟化すると、金相場はプラス圏に切り返した。
 市場はまた、足元の景気動向を占う上で、週末にかけて発表される4~6月期の米GDP(国内総生産)改定値や7月の個人消費支出(PCE)物価指数に注目。高関税政策の影響で消費鈍化や物価上昇の傾向が鮮明となれば、金融緩和の時期やペースが見通しにくくなる可能性もある。

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