〔NY外為〕円、143円台前半(1日) 2025年07月02日 06時16分
【ニューヨーク時事】1日のニューヨーク外国為替市場では、米連邦準備制度理事会(FRB)による年内利下げの方向性が再確認されたことなどを背景に円買い・ドル売りが優勢となり、円相場は1ドル=143円台前半に上昇した。午後5時現在は143円37~47銭と、前日同時刻(143円95銭~144円05銭)比58銭の円高・ドル安。
海外市場で先行した円買い・ドル売りの流れを引き継ぎ、ニューヨーク市場は142円74銭で取引を開始。FRBのパウエル議長は1日、欧州中央銀行(ECB)主催の会合で、連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーの大半が「年内の利下げ開始が適切」との認識であると述べ、7月末のFOMCでの利下げ検討が、早すぎとは言えないとの見方を示した。利下げ期待を後押しするような内容を受け、相場は一時上げ幅を拡大した。
ただその後、米労働省が発表した5月の米雇用動態調査(JOLTS)によると、非農業部門の求人数は前月比37万4000件増の776万9000件と、市場予想を上回った。米サプライ管理協会(ISM)が同時刻に発表した6月の製造業購買担当者景況指数(PMI)は49.0と、前月から0.5ポイント上昇した。雇用情勢や経済の底堅さが示唆されると、米長期金利が上昇。円相場は上げ幅を削った。米上院が1日、トランプ大統領肝煎りの大型減税を盛り込んだ法案を可決したこともドルの買い戻しにつながった。
一方、トランプ氏は1日、7月9日に設定された関税引き上げの猶予期限の延長は考えていないと発言。日本との関税交渉については「合意は難しい」との見方を示したほか、日本からの輸入品に「30%か35%」の関税を課す可能性を示唆した。
ユーロは同時刻現在、対ドルで1ユーロ=1.1802~1812ドル(前日午後5時は1.1783~1793ドル)、対円では同169円25~35銭(同169円61~71銭)と、36銭の円高・ユーロ安。