〔NY石油〕WTI反落、73ドル台(18日午前) 2025年06月19日 00時19分
【ニューヨーク時事】18日午前のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、中東情勢緊迫化を巡る過度の警戒感が和らぎ、反落している。米国産標準油種WTIの中心限月7月物は午前10時40分現在、前日清算値(終値に相当)比1.36ドル安の1バレル=73.48ドル。
トランプ米大統領は17日、ホワイトハウスで国家安全保障会議(NSC)の会合を開き、イスラエルと交戦するイランへの軍事介入について本格的検討に着手。イランの最高指導者ハメネイ師は「戦争に断固立ち向かい、決して屈しない」と主張した。トランプ氏は18日に記者団に対し、イラン攻撃について「やるかもしれないし、やらないかもしれない。誰も分からない」と述べる一方、「イランは交渉したがっている」と言明。発言を受け中東情勢の一段の緊迫化を背景としたエネルギー供給不安が後退し、原油は一気にマイナス圏に転じた。原油相場は前日に清算値ベースで5カ月ぶりの高値を付けており、利益確定の売りも出やすい地合いとなっている。
一方、米エネルギー情報局(EIA)が発表した週間石油在庫統計では、原油在庫が前週比1150万バレル減と、取り崩し幅は市場予想(ロイター通信調べ)の180万バレル減を大きく上回った。需給の引き締まりが意識され、原油相場は一時下げ幅を縮小した。ガソリン在庫は20万バレル増(同予想60万バレル増)、ディスティレート(留出油)は50万バレル増(同40万バレル増)だった。