〔東京外為〕ドル、145円前半=ドル買い、円買いの綱引きで横ばい(18日正午) 2025年06月18日 12時22分

 18日午前の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、中東情勢の緊迫化が警戒される中、「有事のドル買い」「安全資産の円買い」の綱引きとなり、145円台前半を中心に横ばい圏で推移した。正午現在は、1ドル=145円11~12銭と前日(午後5時、144円52~52銭)比59銭のドル高・円安。
 前日の海外時間は、米国時間序盤に中東を巡る警戒感からドルが買われ、一時145円30銭付近に上昇。戻り売りに押され144円80銭台まで軟化した後、トランプ米大統領がイラン最高指導者ハメネイ師を「今は殺害しない」と投稿したことで中東情勢が緊迫化するとの思惑が膨らみ、中盤には145円20銭台へ値を戻した。終盤は石油価格が約5カ月ぶりの高値を付け、インフレ懸念の高まったことから米長期金利が上昇し、ドル円は145円40銭付近まで上値を伸ばした。
 東京早朝は145円10~20銭台で推移。午前9時以降は中東情勢を見守る中で売り買いともに限られ、145円00~40銭台の小幅なレンジでもみ合った。
 トランプ政権は17日に国家安全保障会議(NSC)の会合を開催。イランへの対応を協議したとみられている。こうした中で、トランプ大統領はSNSに「無条件降伏!」と投稿し、圧力を強めている。中東情勢への米国の軍事関与の思惑が交錯する中、「ドルと円はそれぞれ対他通貨に対して買われやすくなっている」(国内銀行)という。結果的に、流動性の高いドルと安全資産とされる円の価値は相対的に上がり、ドル円は「底堅く、上値の重い展開となっている」(同)と見られる。
 ユーロは朝方に比べ対円で横ばい圏、対ドルで上昇。正午現在は、1ユーロ=166円85~86銭(前日午後5時、167円03~04銭)、対ドルでは1.1497~1498ドル(同1.1557~1557ドル)。

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