〔NY石油〕WTI続落、60.79ドル=月間では4.43%高(30日) 2025年05月31日 05時22分

 【ニューヨーク時事】週末30日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなど非加盟産油国で構成する「OPECプラス」の増産観測が強まる中で売りが優勢となり、続落した。米国産標準油種WTIの中心限月7月物は前日清算値(終値に相当)比0.15ドル(0.25%)安の1バレル=60.79ドルだった。8月物は0.41ドル安の59.79ドル。
 月間では4.43%高。週間では1.20%安となった。
 米メディアは30日、関係者の話として、OPECプラスの有志8カ国が31日に予定されているオンライン会合で、増産決定が見込まれている7月の原油生産量について、市場が見込んでいた規模(日量41万1000バレル増)を上回る増産が検討される可能性があると報じた。これを受けて、需給緩和懸念が強まり、原油が売られた。
 トランプ米大統領は30日、SNSの投稿で「中国は米国との合意に関税に違反した」と批判。ベセント米財務長官は29日、FOXニュースとのインタビューで中国との交渉に関しては「若干停滞している」と認めた。米連邦巡回区裁判所は前日に国際貿易裁判所が命じた大部分の関税措置の差し止めに執行停止の判断を下し、米高関税政策を巡る先行き不透明感も強まり、原油は一時60ドル台を割り込んだ。
 ただ、引けにかけて米株式相場が上昇に転じた。投資家のリスク回避姿勢が後退する中、株式と並ぶリスク資産の原油も買い戻され、原油は安値を付けた後に下げ幅を圧縮した。
 ▽ガソリン=続落。6月物の清算値は2.10セント安の1ガロン=203.84セント。ガソリンは月間では0.07%高、週間では3.36%安。
 ▽ヒーティングオイル=続落。6月物の清算値は3.10セント安の1ガロン=201.72セント。月間では0.96%安、週間では4.16%安だった。

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