〔NY石油〕WTI反落、60.94ドル(29日) 2025年05月30日 04時59分
【ニューヨーク時事】29日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、需要先行き懸念が台頭し、反落した。米国産標準油種WTIの中心限月7月物の清算値(終値に相当)は前日比0.90ドル(1.46%)安の1バレル=60.94ドルだった。8月物は1.00ドル安の60.20ドル。
国際エネルギー機関(IEA)のビロル事務局長が一部メディアに対し、中国での石油需要はかなり弱いとの見解を示したと伝わり、世界最大の石油輸入国である中国のエネルギー需要の先行きへの警戒感から、売りが先行した。
米商務省が朝方発表した1~3月期の実質GDP(国内総生産)改定値は前期比0.2%減と、速報値から上方修正されたものの、GDPの約7割を占める個人消費は1.2%増(速報値1.8%増)に下方修正された。このことも相場の下押し要因となった。
一方、米エネルギー情報局(EIA)が発表した週報によると、23日までの1週間の米原油在庫は前週比280万バレル減と、市場予想(10万バレル増=ロイター通信調べ)に反する取り崩し。ガソリン在庫は240万バレル減(予想50万バレル減)、ディスティレート(留出油)在庫は70万バレル減(予想50万バレル増)となった。需給の緩みを打ち消すような内容だったものの、発表後も相場は売り地合いを維持した。
一方、ロイター通信は複数の関係者の話として、米石油大手シェブロンがベネズエラでの石油生産やサービス、調達に関する契約を打ち切ったと報じた。
▽ガソリン=反落。中心限月6月物の清算値は2.98セント安の1ガロン=205.94セント。
▽ヒーティングオイル=反落。6月物の清算値は3.99セント安の1ガロン=204.82セント。