〔東京外為〕ドル、一時144円台後半=早期利上げ観測後退で急伸(1日午後5時) 2025年05月01日 17時33分
1日の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、日銀の早期利上げ観測後退を受け、一時1ドル=144円台後半へ急伸した。4月10日以来、3週間ぶりの高値水準。午後5時は144円35~36銭と前日(午後5時、142円77~79銭)比1円58銭の大幅ドル高・円安。
30日の米国時間の序盤は、1~3月期GDPや4月のADP全米雇用報告の悪化を受けて、141円90銭台に下落。その後は、ダウ工業株30種平均やS&P500のプラス転換を眺めて、終盤には143円10銭台に持ち直した。
1日の東京時間の午前は、トランプ米政権による関税政策への過度な警戒感が後退したほか、時間外取引での米長期金利上昇などを手掛かりに143円20銭台へ上昇した。午後は、日銀が物価上昇率や成長率の見通しを下方修正したことや、日経平均株価の上げ幅拡大を眺めて、144円20銭台へ上伸。植田日銀総裁が会見で、「物価や賃金上昇はやや下振れ、伸び悩み状態に入っていく」などと発言したため、144円70銭台まで水準を切り上げた。その後は買いが一巡し、144円30銭台に下落した。
ドル円は、日銀の利上げが後ずれするとの見方から上昇。ただ、上昇スピードが速かったため、利益確定の売りが出やすいほか、関税措置を巡る2回目の日米協議を控えていることもあり、「ドル買い・円売りは続かない」(外為仲介業者)との声が出ていた。米雇用統計をあすに控えていることも、上値追いを慎重にさせているもようだ。
ユーロは対円で上昇、対ドルは下落。午後5時は、1ユーロ=163円29~31銭(前日午後5時、162円40~46銭)、対ドルでは1.1310~1311ドル(同1.1378~1381ドル)。