〔NY金〕続落、3319.10ドル=月間では5.36%高(30日) 2025年05月01日 04時08分

 【ニューヨーク時事】30日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、対ユーロでのドル高を背景に売りが優勢となり、続落した。一方、低調な米国内総生産(GDP)速報値などを受け、米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ観測が強まり、下値は限定的だった。中心限月6月物の清算値(終値に相当)は前日比14.50ドル(0.43%)安の1オンス=3319.10ドル。月間では5.36%高となった。
 トランプ米政権は29日、自動車と部品に対する25%の追加関税について、負担軽減措置を発表した。これを受けて、米高関税政策をめぐる投資家らの過度の警戒感が後退、安全資産としての金は利益確定の売りが優勢となった。また、外国為替市場では対ユーロでドル買いが優勢。ドル建てで取引される金の割高感につながり、金の売りを後押しした。
 一方、米民間雇用サービス会社ADPが30日発表した4月の全米雇用報告によると、非農業部門の民間就業者数は前月比6万2000人増と、市場予想(ロイター通信調べ)の11万5000人増を下回った。さらに、米商務省が発表した1~3月期の実質GDP速報値は前期比0.3%減少と前期から大きく落ち込み、3年ぶりのマイナス成長となった。いずれも米景気の落ち込みを示す内容となったことで、FRBが利下げに動きやすくなるとの観測が強まり、金は下げ幅を圧縮する展開となった。
 金塊相場は前週22日に一時3500ドルを突破。市場では、当面は高値水準を横ばいで推移する可能性があると指摘する声も聞かれた。

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