〔NY石油〕WTI3日ぶり反落、69.36ドル=週間では1.58%高(28日) 2025年03月29日 04時53分
【ニューヨーク時事】週末28日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、景気先行き不透明感がくすぶる中を、3日ぶりに反落した。米国産標準油種WTIの中心限月5月物の清算値(終値に相当)は前日比0.56ドル(0.80%)安の1バレル=69.36ドル。週間では1.58%高だった。プラスでの越週は3週連続となった。6月物は0.59ドル安の68.90ドル。
米政権は今週、ベネズエラ産原油・ガスの輸入国に対する追加関税賦課や、輸入車への追加関税措置を発表。4月2日には貿易相手国に同水準の関税を課す「相互関税」の詳細発表を控えており、景気見通しへの警戒感が広がる中、原油は売りが優勢となった。供給懸念などを背景に前日の相場が約1カ月ぶりの高値水準となったことを受け、利益確定の売りも出たほか、月末・四半期末を前に持ち高調整目的の売りも出やすかった。
朝方発表された2月の個人消費支出(PCE)物価指数でインフレの根強さが示唆されたほか、米ミシガン大学による消費者調査によると3月の景況感指数(確報値)は57.0と市場予想を下回り、前月確報値から悪化した。これを受け、米株式相場が大幅下落したことも、株と並ぶリスク資産とされる原油の相場下押し要因となった。
一方、米国務省は28日、イスラム教シーア派組織ヒズボラに関連する新たな制裁措置を発表。対象は、石油密輸ネットワークを統括するヒズボラの資金調達グループで、5人の個人と三つの団体を含むという。
▽ガソリン=8営業日ぶりに反落。中心限月4月物の清算値は1.17セント安の1ガロン=223.47セント。
▽ヒーティングオイル=続落。4月物の清算値は2.38セント安の1ガロン=226.09セント。