〔NY金〕上伸、3114.30ドル=連日の最高値更新、4週連続のプラス(28日) 2025年03月29日 03時52分
【ニューヨーク時事】週末28日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は上伸。中心限月6月物の清算値(終値に相当)は、前日比23.40ドル(0.76%)高の1オンス=3114.30ドルと、前日に続いて史上最高値を更新した。米高関税政策がインフレと景気減速を招くとの警戒感が根強く、安全資産を選好する流れが継続した。中心限月の清算値ベースでは、4週連続のプラス。
トランプ米大統領は26日、輸入するすべての自動車と主要部品に25%の追加関税を課すと発表。12日に発動した鉄鋼・アルミニウムへの一律25%関税上乗せに続く措置で、さらに4月2日には貿易相手国と同水準の関税をかける「相互関税」の発表も予定している。こうした動きに各国・地域は強く反発しており、貿易摩擦の激化が世界経済の成長を下押ししかねないとの懸念が強まっている。
また、この日の米経済指標もさえない内容だった。米商務省が発表した2月の個人消費支出(PCE)は実質ベースでわずか0.1%増にとどまり、ミシガン大学調査の3月の消費者景況感も一段と悪化。一方、両統計では物価の高止まりやインフレ期待の上昇も確認されたため、市場のムードはリスク回避一色となり、安全資産とみなされる金に資金が流入した。