〔NY石油〕WTI堅調、69ドル台(25日午前) 2025年03月25日 22時54分

 【ニューヨーク時事】25日午前のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、供給不安を背景とした買いが優勢となり、堅調に推移している。米国産標準油種WTIの中心限月5月物は午前9時30分現在、前日清算値(終値に相当)比0.46ドル高の1バレル=69.57ドル。
 トランプ米大統領は24日、南米ベネズエラ産の原油や天然ガスを受け入れている国・地域からの輸入品に25%の関税を課す大統領令に署名した。4月2日から適用する方針で、トランプ氏はSNSへの投稿で「数万人の非常に暴力的な性質を持つ人々や殺人者、犯罪者を意図的に米国に送っている」と理由を述べた。ロイター通信によると、ベネズエラ産石油の最大の輸出先は中国で、スペインやイタリア、キューバ、インドもベネスエラから石油を輸入しているという。これを背景に、世界的に需給が引き締まるとの見方が台頭し、原油は買いが先行している。
 一方、ロイター通信は関係筋の話として、石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなど非加盟産油国で構成する「OPECプラス」は、原油価格が安定する中、4月に続き5月も計画通り増産する公算が大きいと報じた。これが需給逼迫(ひっぱく)感の緩和につながる面もあり、相場の上げ幅は限定的となっている。

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