〔NY石油〕WTI上昇、68.28ドル(21日) 2025年03月22日 06時44分
【ニューヨーク時事】週末21日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、需給引き締まりが意識される中で買われ、上昇した。この日から新たに中心限月となった米国産標準油種WTI5月物は前日清算値(終値に相当)比0.21ドル(0.31%)高の1バレル=68.28ドルだった。6月物は0.19ドル高の67.89ドル。
石油輸出国機構(OPEC)は20日、OPEC加盟国とロシアなど非加盟産油国で構成する「OPECプラス」のうち、生産目標を超えて生産したイラクやカザフスタン、ロシアなど7カ国が超過分を減産する計画を発表した。これを受けて、需給引き締まり観測が強まり、原油が買われた。同日発表された米国による対イラン追加制裁も供給混乱への警戒感につながり、原油の支援材料となった。
トランプ米大統領は21日、中国の習近平国家主席と関税について協議することを計画していると明らかにした。同氏はその上で貿易相手国と同水準の関税を課す「相互関税」について「柔軟性がある」と発言。投資家心理の改善につながり、リスク資産とされる原油にも買いが入った。
ただ、週末を前に利益確定の売りも出やすく、朝方の原油相場はマイナス圏で推移する場面もあった。外国為替市場では対ユーロでドル買いが優勢。ドル建てで取引される原油の割高感につながり、原油の上値を抑えた。
▽ガソリン=3営業日続伸。4月物の清算値は0.43セント高の1ガロン=219.54セント。
▽ヒーティングオイル=3営業日ぶり反落。4月物の清算値は0.47セント安の1ガロン=224.96セント。