〔NY金〕9日ぶり反落=最高値更新、6日で途切れる―週間ではプラス(21日) 2025年03月22日 04時02分

 【ニューヨーク時事】週末21日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、週末を前に利益確定の動きが台頭し、9営業日ぶりに反落した。中心限月4月物の清算値(終値に相当)は前日比22.40ドル(0.74%)安の1オンス=3021.40ドル。ただ、週間では0.68%上昇し、3週連続のプラスとなった。
 この日の外国為替市場では、朝方の売りをこなした後、ドルが対主要通貨で上伸。これをきっかけにドル建て商品の割高感に着目した売りが台頭し、金相場は40ドル近く急落したが、その後は買い戻しに下げ幅を縮小した。
 今週は、景気先行き不安や地政学的リスクの高まりを背景に、安全資産としての金需要が継続。米連邦準備制度理事会(FRB)が連邦公開市場委員会(FOMC)で、年内の想定利下げ回数を2回に維持したことも利回りを生まない金への資金流入を促し、前日まで引けベースでの最高値更新が続いたが、6営業日連続で記録が途切れた。
 しかし、トランプ米大統領は19日、貿易相手国と同水準の関税を課す「相互関税」を予定通り4月2日に発動する意向を表明。貿易摩擦が今後激化し、世界経済の成長を下押しするとの懸念がくすぶっている。また、米政府はイランへの圧力を強化しているほか、イスラエルとイスラム組織ハマスの停戦合意は崩壊。さらに、ウクライナとロシアの全面的な停戦に向けた協議の行方も見通せない状況で、金相場が大幅な調整局面を迎える公算は小さいとの指摘が聞かれた。

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