〔東京外為〕ドル、156円台半ば=米インフレ懸念で上昇(23日午後5時) 2025年01月23日 17時08分

 23日の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、トランプ米大統領の関税政策によるインフレ懸念を受けて、1ドル=156円台半ばに上昇した。午後5時現在、156円59~62銭と前日(午後5時、156円03~05銭)比56銭のドル高・円安。
 午前は、時間外取引での米長期金利の上昇一服などで売りが先行し、156円20銭台に下落。その後は、日経平均株価の堅調さを受けて、156円50銭台へ切り返した。
 午後は、日経平均が4万円の大台を回復すると、156円70銭台へ水準を切り上げた。終盤は、上値追いに慎重となり、156円50~60銭台で推移した。
 ドル円は、トランプ氏による関税政策がインフレを再燃させるとの見方などから強地合いが継続している。ただ、今夜のトランプ氏のダボス会議での演説や、あすの日銀の金融政策結果、植田総裁の会見を控える中、157円台を試す勢いはなかった。
 トランプ氏は、日本時間24日午前1時に演説を行う予定。市場関係者は「関税に関する新たな発言があるか、注意する必要がある」(国内銀行)と話す。
 日銀は24日正午ごろに金融政策を発表し、午後3時半から植田総裁が会見を行う。日銀は、賃上げの広がりに自信を示しているほか、トランプ新政権発足後も市場は安定しているため、追加利上げを決める公算が大きい。このため、市場は今後の利上げペースの手掛かりを得るため、植田総裁の会見に注目する。会見では「次の利上げには慎重な姿勢を示すのではないか」(FX会社)や「ニュートラルな発信に努める可能性が高い」(国内証券)などの見方が出ている。
 ユーロは対円で上昇、対ドルは下落。午後5時現在、1ユーロ=162円86~88銭(前日午後5時、162円46~47銭)、対ドルでは1.0400~0400ドル(同1.0411~0411ドル)。

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