〔NY外為〕円、150円台前半=2カ月半ぶり安値(17日) 2024年10月18日 06時38分

 【ニューヨーク時事】17日のニューヨーク外国為替市場では、堅調な米経済指標を受けて円売り・ドル買いが進み、円相場は1ドル=150円台前半と8月上旬以来約2カ月半ぶりの安値に下落した。午後5時現在は150円19~29銭と、前日同時刻(149円58~68銭)比61銭の円安・ドル高。
 米商務省が朝方発表した9月の小売売上高は前月比0.4%増と、市場予想(0.3%増)を上回った。変動の激しい自動車・同部品を除くと0.5%増だった。個人消費の底堅さを示す内容で、連邦準備制度理事会(FRB)による追加利下げペースが緩やかになるとの観測が広がる中、米長期金利が上昇。日米金利差が開いた状態が続くとの見方から、低金利の円を売って高金利のドルを買う動きが強まった。
 また、労働省が公表した新規失業保険の申請件数は前週と比べて減少。予想よりも良い内容で、雇用情勢の悪化を巡る過度な警戒感が和らいだことも円安・ドル高につながった。
 市場では強い統計を受けて、米経済が成長を続けながらインフレも落ち着く「ソフトランディング(軟着陸)」期待が高まった。邦銀筋は「FRBは来月の会合で、0.25%の利下げを決定するとの見方が優勢だ」と語った。
 欧州中央銀行(ECB)はこの日、定例理事会を開催。ユーロ圏のインフレが落ち着く一方で景気の減速懸念が強まる中、0.25%の追加利下げを決定。これを受けて、ユーロは対ドルで売りが優勢となった。ユーロは同時刻現在、対ドルで1ユーロ=1.0825~0835ドル(前日午後5時は1.0856~0866ドル)、対円では同162円65~75銭(同162円44~54銭)と、21銭の円安・ユーロ高。

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