貿易赤字3.1兆円に拡大=輸出好調も円安で輸入増―今年度上半期 2024年10月17日
財務省が17日発表した2024年度上半期(4~9月)の貿易統計速報(通関ベース)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は3兆1067億円の赤字(前年同期は2兆7164億円の赤字)だった。赤字は半期ベースで7期連続。半導体関連の輸出が好調だった一方、円安などを背景に輸入額の伸びが上回り、赤字幅は拡大した。
輸出額は前年同期比6.6%増の53兆5504億円と、比較可能な1979年以降で過去最高。中国向けなどの半導体製造装置や、香港などへの電子部品が伸びた。
輸入額は7.0%増の56兆6571億円だった。米国からのパソコンなど電算機類が39.2%の大幅増。平均為替レートが前年同期に比べて1割近く円安・ドル高に振れたことも輸入額を押し上げた。輸入額の約1割を占める原油は3.4%増えた。原油価格は円建てで13.7%プラスの1キロリットル当たり8万3433円と、過去2番目の高さだった。
国別の収支は米国が4兆2984億円の黒字、中国が3兆637億円の赤字だった。
同時に発表された9月の貿易収支は2943億円の赤字だった。赤字は3カ月連続。輸出額は、米国向けの自動車などが落ち込み、10カ月ぶりに前年を割り込んだ。