トランプ氏、ドル高は「大きな問題」=FRB、選挙前利下げ回避を 2024年07月17日 07時06分
【ワシントン時事】11月の米大統領選の共和党候補に指名されたトランプ前大統領は、16日配信の米ブルームバーグ通信のインタビューで、米国がドル高により「大きな問題を抱えている」と述べた。連邦準備制度理事会(FRB)に対しては、選挙前に利下げを行わないよう求めた。
トランプ氏は、足元の外国為替相場に関し「対ドルでの円安や人民元安がはなはだしい」と指摘。米国の輸出企業にとって「すさまじい負担だ」との懸念を示した。その上で、米国製自動車の輸入が進まず、対米貿易黒字を抱える日本に対し「不作法だ」と不満を漏らした。
また、選挙前の利下げ決定について「やってはならないと分かっていることだ」とFRBをけん制した。利下げは景気を押し上げ、再選を目指す現職のバイデン大統領に有利に働く可能性がある。市場ではFRBが9月の金融政策会合で、利下げを決めるとの観測が強まっている。
ただ、トランプ氏はFRBのパウエル議長について、「正しいことをするならば」任期を全うさせる考えを明らかにした。パウエル氏の議長任期は2026年5月、FRB理事としては28年1月。トランプ氏は大統領在任中、金融政策を巡ってパウエル氏と対立し、解任すら検討していたとされる。
トランプ氏はまた、大統領に返り咲いた場合、政権の核となる財務長官候補の1人として、金融最大手JPモルガン・チェースのダイモン最高経営責任者(CEO)を検討していると明かした。報道などでは、ライトハイザー前通商代表部(USTR)代表らの名前も取り沙汰されている。