〔東京外為〕ドル、一時143円台後半に急落=米関税不透明で(12日午後5時) 2025年06月12日 17時06分
12日の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、トランプ米政権の関税政策を巡る不透明感などから、一時1ドル=143円台後半に急落した。午後5時現在は、1ドル=143円86~88銭と前日(午後5時、145円12~13銭)比1円26銭の大幅ドル安・円高。
午前は、日経平均株価の下落や時間外取引での米長期金利低下を受けて売りが先行し、143円70銭台に下落した。その後は下げ止まり、144円前後で小浮動した。
午後は、トランプ政権による関税政策への警戒感が根強いことなどから、143円70銭台に軟化。終盤は、米長期金利の下げ止まりで、144円10銭台に切り返した。
11日に発表された5月の米消費者物価指数の上昇率は、前年同月比2.4%と前月の2.3%から加速したが、市場予想(ロイター調査)の2.5%は下回った。市場関係者は「トランプ関税の影響から市場予想を上回るとの見方があったため、カウンターのドル売りが出た」(国内銀行)と説明する。また、ベセント米財務長官が、貿易交渉の相手国に関し、相互関税の上乗せ分の適用停止を延長する考えを示した一方、トランプ大統領は「貿易交渉の期限延長の用意あるが、必要とは考えていない」と明言。米政権と各国との関税協議の先行きへの警戒感から、「ドル売りが根強い」(外為仲介業者)状況だった。イランとイスラエルを巡る地政学リスクの高まりも、リスク回避の円買いを誘った。
この後の米国時間には、週間新規失業保険申請件数と5月の卸売物価指数が発表される。
ユーロ円は横ばい。ユーロドルは、ECBによる利下げ打ち止め観測などから、4月22日以来約2カ月ぶりの高値水準を付けた。午後5時現在は、1ユーロ=165円83~84銭(前日午後5時、165円72~74銭)、対ドルでは1.1526~1526ドル(同1.1419~1419ドル)。