〔米株式〕NYダウ小反発、37ドル高=ナスダックも高い(29日午前) 2025年05月29日 23時34分

 【ニューヨーク時事】29日午前のニューヨーク株式相場は、トランプ米政権が発動した相互関税を米裁判所が差し止めたことが好感され、小反発している。優良株で構成するダウ工業株30種平均は午前10時15分現在、前日終値比37.59ドル高の4万2136.29ドル。ハイテク株中心のナスダック総合指数は100.61ポイント高の1万9201.55。
 トランプ政権が発動した相互関税について、米国際貿易裁判所は28日、「違法で無効」と判断し、差し止めを命じる決定を下した。10日以内に関税を停止するための手続きを求めた。政府側は即時に控訴したが、判断が覆らなければ、高関税措置に狂いが生じる可能性もある。高関税政策の影響によるインフレ高進や景気減速への過度の警戒感が幾分後退する中、ダウは買い先行で始まり、一時130ドル余り上伸した。
 一方、この日朝方発表された米経済指標は強弱まちまちの内容となり、相場への影響は限定的。米商務省が発表した1~3月期の実質GDP(国内総生産)改定値は、季節調整済み年率換算で前期比0.2%減と、速報値(0.3%減)から小幅に上方修正された。設備投資が上振れしたことが要因。米労働省が発表した新規失業保険申請(24日までの1週間)は、前週比1万4000件増の24万件と、4週ぶりに悪化。申請件数は、市場予想(ロイター通信調べ)の23万件を上回った。
 個別銘柄では、エヌビディアが3%上伸し、ダウ平均の上げを先導。前日引け後発表の2025年2~4月期決算で売上高が四半期として過去最高となったことが好感された。アムジェン、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)などヘルスケア銘柄も堅調。半面、セールスフォースは7%超下落。同社が前日公表した25年2~4月期決算は増収増益となり、26年通期決算の売上高予想を上方修正したにもかかわらず、金融会社が投資判断を引き下げたことが嫌気されている。

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