〔NY外為〕円、143円台後半(30日朝) 2025年05月30日 22時27分

 【ニューヨーク時事】週末30日午前のニューヨーク外国為替市場では、トランプ米政権の関税政策を巡る警戒感が再燃する中、円買い・ドル売りが優勢となり、円相場は1ドル=143円台後半に上伸している。午前9時現在は143円70~80銭と、前日午後5時(144円12~22銭)比42銭の円高・ドル安。
 トランプ米大統領は30日、SNSへの投稿で「中国は米国との合意に完全に違反した」と批判。中国との貿易交渉が停滞していることにいら立ちを示したとみられる。米国の連邦巡回区裁判所が前日、国際貿易裁判所が大部分の関税措置の差し止めを命じた決定について、一時的に執行停止の判断を下したこともあり、関税政策の先行きへの警戒感が再燃。安全資産とされる円を買ってドルを売る動きが進み、円は朝方、143円台にレンジを切り上げた。
 米商務省が朝方発表した4月の米個人消費支出(PCE)物価指数は、前年同月比2.1%上昇(前月2.3%上昇)と、伸びは2カ月連続で鈍化した。上昇率は、昨年9月以来7カ月ぶりの低水準となり、市場予想(2.2%上昇=ロイター通信調べ)も下回った。価格変動が激しいエネルギーと食品を除いたコア指数は2.5%上昇(前月2.7%上昇)と、市場予想と一致した。インフレの落ち着きを示す結果となったが、市場の反応はいまのところ、限定的となっている。
 ユーロは同時刻現在、対ドルで1ユーロ=1.1340~1350ドル(前日午後5時は1.1360~1370ドル)、対円では同163円10~20銭(同163円86~96銭)と、76銭の円高・ユーロ安。

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