〔米株式〕NYダウ続伸、35ドル高=ナスダックは安い(30日午前) 2025年05月30日 23時26分

 【ニューヨーク時事】週末30日午前のニューヨーク株式相場は、続伸している。トランプ米大統領が「中国が米国との合意に完全に違反した」と批判したことで貿易摩擦激化への懸念が再燃し、いったんは売りが先行したものの、その後は良好な経済指標を受けプラス圏に浮上した。優良株で構成するダウ工業株30種平均は午前10時15分現在、前日終値比35.26ドル高の4万2250.99ドル。ハイテク株中心のナスダック総合指数は74.10ポイント安の1万9101.77。
 トランプ氏は30日、SNSへの投稿で、米高関税政策により経済危機に直面していた中国を救うため、米国が迅速な取引を行ったとした上で「中国は米国との合意に完全に違反した」と批判した。一方、ベセント米財務長官は29日、FOXニュースのインタビューで、中国の交渉に関しては「若干停滞している」と述べていた。米中貿易摩擦への警戒感が再び台頭し、ダウは売り先行で寄り付いた。
 一方、米商務省が朝方発表した4月の個人消費支出(PCE)物価指数は前年同月比2.1%上昇と伸び率は前月(2.3%)を下回り、昨年9月以来7カ月ぶりの低水準となった。価格変動が激しいエネルギーと食品を除いたコア指数の上昇率も前月から減速し、インフレの鈍化を示す内容だった。米ミシガン大学がその後発表した消費者調査によると5月の景況感指数(確報値)は52.2と、市場予想(51.0)を上回った。これらの指標を受け、ダウは下げ幅を一掃。一転して、上伸に転じている。
 個別銘柄をみると、通年の業績見通しを引き上げたアルタ・ビューティーは14%超高と急伸。一方、ダウ構成銘柄では、好決算をはやして前日上昇したエヌビディアは利食い売りに押され1%超安。ナイキやシェブロンも下げている。

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