〔NY石油〕WTI続落、60ドル台(30日午前) 2025年05月30日 23時17分

 【ニューヨーク時事】週末30日午前のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなど非加盟産油国で構成する「OPECプラス」による増産観測が強まる中で売られ、続落している。米国産標準油種WTIの中心限月7月物は午前10時05分現在、前日清算値(終値に相当)比0.58ドル安の1バレル=60.36ドル。
 ロイター通信は30日、OPECプラスの有志8カ国が31日に開催予定の会合で見込まれている増産幅を、さらに上積みする可能性があると報じた。日量41万1000バレルの増産の可能性が取り沙汰されていたが、関係筋によると、増産幅をさらに拡大する可能性があるという。外国為替市場では対ユーロでのドル買いが先行。ドル建てで取引される商品の割高感につながり、原油相場を圧迫している。
 一方、トランプ米大統領は30日、SNSでの投稿で「中国は米国との合意に完全に違反した」と批判。ベセント米財務長官は29日、FOXニュースのインタビューで中国との交渉に関しては「若干停滞している」と認めた。米連邦巡回区裁判所は前日に、国際貿易裁判所が命じた大部分の関税措置の差し止めに関して執行停止の判断を下し、トランプ米政権の高関税政策を巡る先行き不透明感が強まっており、原油の買い控えムードにつながった。

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