〔NY石油〕WTI反落、61ドル台(29日午前) 2025年05月29日 23時02分

 【ニューヨーク時事】29日午前のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、利益確定の売りが先行し、反落している。米国産標準油種WTIの中心限月7月物は午前9時40分現在、前日清算値(終値に相当)比0.67ドル安の1バレル=61.17ドル。
 米国際貿易裁判所は28日、トランプ米政権が発動した相互関税について、「違法で無効」と判断し、差し止めを命じる決定を下した。政権側は即時に控訴したが、判断が覆らない場合、高関税措置が差し止められるとされている。高関税政策に伴う景気減速でエネルギー需要が後退するとの懸念が幾分後退し、原油相場は時間外取引で買い進まれた。これを受け、朝方は利益確定の動きが先行し、マイナス圏に沈んでいる。
 一方、ロイター通信は関係筋の話として、28日夕に発表された米石油協会(API)の週報で、最新週の米原油在庫とガソリン在庫は前週比で減少したと伝えた。需給の緩みに対する警戒感が幾分和らぎ、相場の下値は堅い。市場は、この日正午に米エネルギー情報局(EIA)が発表する週報に注目している。

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