銀行買収に資本提携逆提案=SBI、NTTは悲願達成 2025年05月29日 22時08分
NTTとSBIホールディングス(HD)は29日、資本業務提携とNTTドコモによる住信SBIネット銀行買収を発表した。SBIHDの北尾吉孝会長兼社長は同日の記者会見で、買収申し入れを受け、資本提携を逆提案したと説明。「売って縁が切れないように一体感を持ち続けることが売り主としての責務だった」と語った。
北尾氏は「メディア・IT・金融の融合」との構想を掲げる。SBIHDは今月中旬、メディア買収を視野に入れた新会社の設立を決定。北尾氏は、ドコモが展開するスマホ用ショート動画事業との連携にも関心を示す。通信大手NTTとの協業は、構想実現に一役買いそうだ。
また、ドコモにとって銀行の買収は悲願と言える。ライバルのKDDIはauじぶん銀行、ソフトバンクはPayPay銀行、楽天グループも楽天銀行を活用して「経済圏」を拡大してきた。出遅れたドコモは、銀行業に参入できなければ「選択されなくなる」(前田義晃社長)と焦りを隠さなかった。
ネット銀行はコストとなる店舗やATMを基本的に持たない。住信SBIネット銀は外部に銀行機能を提供するサービスも展開しており、経済圏のさらなる拡大が可能になる。NTTの島田明社長は会見で、「帯にもたすきにもなるベストなソリューション(解決策)。最高のパートナーだ」と強調した。