〔米株式〕NYダウ続伸、163ドル高=ナスダックは小高い(29日午前) 2025年04月29日 23時57分

 【ニューヨーク時事】29日午前のニューヨーク株式相場は、トランプ米政権の高関税政策を巡る各国との交渉の進展待ちとなる中、続伸している。優良株で構成するダウ工業株30種平均は午前10時45分現在、前日終値比163.80ドル高の4万0391.39ドル。ハイテク株中心のナスダック総合指数は6.66ポイント高の1万7372.79。
 ベセント米財務長官は29日、ホワイトハウスで会見し、トランプ大統領の高関税政策について、貿易相手から良いディールを引き出すための、「戦略的な不確実性」をつくり出していると述べた上で、「トランプ関税」を正当化した。同氏は前日、米国の主要貿易国との多くとの2国間交渉で「非常に良い」提案を行っていると言及。インドと早期に合意に達するとの見方を示したほか、日本をはじめ他のアジア諸国との協議進捗(しんちょく)を強調した。関税協議が進んでいる兆しを受け、ダウは買い先行となり、一時230ドル余り上伸した。
 米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ、電子版)が28日、関係者の話として、トランプ大統領は自動車関税の影響を緩和する方針だと報じており、今後の動向が注目されている。
 この日午前に発表された米経済指標はいずれも低調な結果となったものの、影響は限定的。米有力調査会社コンファレンス・ボード(CB)が発表した4月の消費者信頼感指数は86.0と、市場予想(87.5=ロイター通信調べ)を下回った。米労働省が公表した3月の雇用動態調査(JOLTS)によると、非農業部門の求人数は前月比28万8000件減の719万2000件。市場予想は748万件だった。
 個別銘柄では、ハネウェル・インターナショナルが5%超上伸し、ダウ平均の上げをけん引。同社の2025年1~3月期決算は増収減益となったが、調整後の1株当たり利益(EPS)は市場予想を上回った。一方、キャタピラー、ユナイテッドヘルス・グループはいずれも1%超下落している。

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