情報保護協定を早期締結=ACSA交渉入りで日比首脳合意―石破首相「米関税よい解決目指す」 2025年04月29日 20時21分

首脳会談を前に握手する石破茂首相(左)とフィリピンのマルコス大統領=29日、マニラ(EPA時事)
首脳会談を前に握手する石破茂首相(左)とフィリピンのマルコス大統領=29日、マニラ(EPA時事)

 【マニラ時事】石破茂首相は29日(日本時間同)、フィリピンのマルコス大統領とマニラのマラカニアン宮殿で約1時間半会談した。両首脳は情報保護協定の早期締結の重要性を確認し、議論を開始することで合意。物品役務相互提供協定(ACSA)の締結交渉に入ることを申し合わせた。首相はトランプ米政権の関税措置について「フィリピンの声にも耳を傾け、よりよい解決を目指したい」と伝えた。
 首相は会談後の共同記者発表で「日本とフィリピンは同盟に近いパートナーになった」と指摘。大統領は両国関係の「黄金時代」だと強調した。
 日本は近年、フィリピンとの関係を「準同盟」級と位置付け、防衛協力を加速させている。両首脳が議論開始で合意した協定は、機密情報を共有するための軍事情報包括保護協定(GSOMIA)が念頭にある。日本政府内では、GSOMIAを締結すれば、中国艦船などの航行情報を共有できるようになると期待する声が出ている。
 両首脳は米国を含めた3カ国協力の重要性も共有。覇権主義的な動きを強める中国を念頭に、東・南シナ海での力による一方的な現状変更の試みに反対することを確認し、「自由で開かれたインド太平洋」実現に向けた緊密な連携で一致した。 

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フィリピン到着後に儀仗兵の出迎えを受ける石破茂首相(中央左)=29日、マニラのニノイ・アキノ国際空港(AFP時事)
フィリピン到着後に儀仗兵の出迎えを受ける石破茂首相(中央左)=29日、マニラのニノイ・アキノ国際空港(AFP時事)

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